【前回の話はこちら】
https://fanclove.jp/club/com-tan/report/detail/6840
ご縁がありまして、坊主バンドに加入することになりました。
これが僕の「キャラクター化」を加速させます。
坊主バンドは6人とかの割と大人数で、音もいっぱいあります。
僕は尺八担当ですが、ずっと尺八吹いてたら音楽としてちょっとくどいかなと。
だから曲中はそんなにやることがないんです。
棒立ちってのも良くないので、飛んだり跳ねたり、手を叩いたりしてました。
あと、みんなが思ってる以上に、みんなが僕を見てるんですよ。
自意識過剰だと思われるかもしれませんがこれは事実です。
僕だってステージに虚無僧がいたら見ちゃう。
みんなから僕の目は見えないかもしれませんが、僕からはみんなが見えてます。
「見てるなぁ」と思ったら、僕も知らんぷりするわけにもいかないので、手を振ったりするんですね。
そしたら喜んでくれるんですよ。
そもそも、人を喜ばせたくてこの仕事をやっていますから、そりゃあもう振りまきます。
キャラが大きくなってきました。
それと、ライブ中は僕は喋る機会が無かったんですけど、ステージを降りたら割と普通に喋ってました。
「CD売ってまーす」とか普通に言ってたんですね。
そしたらお客さんは、「喋るんだ!?」っていう反応だったんです。
中には僕が喋ることにちょっとがっかりする人もいて。
僕が自覚するよりも先に、お客さんにとって僕は『ゆるキャラ』だったのです。
喋らない方がしっくりくるんだっていうことを知り、僕は「バンドの時は喋らない」と決めました。
喋らないとなると、感情も身振り手振りで表現しなければならず、はい、これで完全にゆるキャラです。
お笑いの時も、全く喋らないのはさすがに厳しいものの、"喋らない方がしっくりくる"と学んだので、セリフを極限まで絞るようになりました。
不思議なことに、その方がネタ作りが楽でした。
余計なことは入れられないので、シンプルにシンプルになっていき、ウケも取りやすくなりました。
こうして、みちばたコンサートのスタイルが固まっていったのです。