本シリーズ最終回かな?
僕が虚無僧になって約5年が経ちました。
この5年で、キャラクターとしての虚無僧はだいぶ確立してきたと思います。
しかしながら、やはり僕は”芸人”です。
いろんなところで出会ったひとに、最終的にはお笑いライブに来てほしいのです。
お笑いの界隈では、僕は間違いなく「イロモノ」です。
コアなお笑いファンの方には、”出オチ”だとか、”毒が無さすぎる”とあまり好まれないこともあります。
僕はそれでもいいと思っています。
もちろん、ギンギンに研ぎ澄ました漫才やコントも観たいでしょう。僕はむしろそういうのが好きで芸人になりました。
でも、今の僕の役割は違うところにあるのではないかと。
ライブに初めて来た、友達や知り合いの芸人に誘われたから来た、そういうお客さんも実はけっこういます。
そんなお客さんに、「なんか変なヤツいたな」「珍しいもの見られたな」という思い出を持って帰ってもらって、あわよくば「また来たいな」「今度は自分が友達誘って来よう」と思ってもらいたいのです。
ビギナーやライト層には、洗練された高度なネタよりも、僕のような者の方がとっつきやすいという自負があります。
僕は自分のことを”初見殺し”と呼んでいますが。
0から1、1から2、そのきっかけになることが、お笑いライブ界における僕の役割かなと思っています。
裾野を広げる、というのでしょうか。
もちろん、僕は高度なネタもできるようにならなきゃいけないですけどね。
僕ももう芸歴は10年になります。
10年ライブに出ていて、「こんなにおもしろいネタが見られるライブなのにお客さんこんだけ?」と思うことが多々あります。
もっとお笑いライブが身近なものになってほしい。
別に特別にお笑いが好きというわけではなくても、たまにライブ行くよ~って人に増えてほしい。
そんな思いで、僕はキャラクターをやっています。
目指すは『ハーメルンの笛吹き』です。