最終更新日: 2024/05/18

匿名劇壇ファンクラブ

匿名劇壇の10年を振り返る座談会 パート2

〜『悪い癖』の話〜

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東   悪い癖、初めて柴田さんに美術をお願いしたやんな。

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松原  美術が鉄っていうことにすごく喜んでたの覚えてる。    

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佐々木 あー喜んだ。

松原  それまで木製の美術しか使ってこなかったから「カンカンカンって音がする!」ってみんなで鳴らしてた。

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東   蛇口をひねったらほんまに水が出る仕掛けも作ってて、うわーと思った。

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杉原  これもたっぱのある高い美術でしたよね。

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佐々木 初演のときの柳瀬真由のベッドが福谷の私物で、バッキバキに壊れたこと覚えてる?

松原  美術も出来上がったし、首吊りのシーンを試してみようってロープに首をかけて飛んだら、1回目でベッドが折れた。俺のベッドがぁ! って嘆いてたよね。

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福谷  折れたまま3~4年使ったわ。

松原  あれ持って帰ったもんな。

福谷  そう。そっから4年間俺斜めに寝てた。

一同  (笑)

松原  体に悪い。

北村  そっからもうずっと柴田さん?本公演。

福谷  基本的にそうちゃう。

東   うん。

北村  ずっと柴田さん。長い付き合いやな

東   照明も葛西さん?

佐々木 葛西さん。

松原  結構、予算もしっかりした公演でしたね。

一同  (沈黙)

北村  どうやったんですか、みんなこの公演に関してはあんまり口を開いてくれない(笑)

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石畑  なんやろ、結構帽子かぶって出てたから…なんかね、そんなにこう…

東   帽子…?

松原  帽子かぶって出てた…?

石畑  そうそう、なんかきれいな帽子かぶって眼鏡して出てたから…

東   あー! あれがなかったんや! 目線バーじゃなかったんか。

石畑  そう、だから役はあるけど、モブ的な立ち位置、みたいなそんな雰囲気があって、だから多分、僕もそんなに、どんなやったっけってちゃんと覚えてない。

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吉本  社是の台詞が飛んだんやっけ、これ。

松原  そ! まこちんの…

石畑  あ、社是とんだ奴や。

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佐々木 頭まっちろ事件やんな。

松原  そう! みんな結構あるな(笑)でもこの作品は、石畑が結構評価がいいって言って喜んでた思い出ある。

石畑  うん、それは確かに。

松原  この役すごい楽しかったって言ってた。

佐々木 探偵か。

石畑  探偵はね、やっぱ楽しい。

松原  東は泣いてたな。

東   な…いてたね。打ち上げで泣いてた

吉本  なんで?

松原  なんか役に感情移入しすぎて泣いてた。

東   そう、私がやった役じゃなくて、ゆっこがやってた柳瀬真由に感情移入しすぎて。

福谷  あ、そうなんや!

松原  結構暗い…なんやったっけ。

東   私が明るい、ハッピーみたいな役をやってたけど、いやもう、しんどい!みたいな。

松原  「柳瀬真由は私や。」って言ってたな。

東   そう! これもしかして福ちゃんのメッセージなんかな…みたいな(笑)

佐々木 私に向けての、みたいな。

東   もう、なんかこう、あきらめろみたいな辞めろみたいななんか…うわーってなって、だからこう…めちゃくちゃ、悩んでた。どうしよう、でも楽しい顔せな、みたいな。

松原  確かに。

東   そう、悩んでた、まこちんとしか喋られへんかったあの時。

松原  えっ!?

東   なんかまこちんとは、役で絡む彼氏役やから、まこちんとだけは喋らなあかんと思って…後の人はなんか、目見て喋られへんかった。

杉原  なんか変なんなってたわ。なんか稽古後みんなで輪になって喋ってたのに、遠くに一人ポツンって立ってて。

東   そうそう、ごはんとか一緒に食べに行かれへんかった。

杉原  なんか変な感じやった。 それは悩んでたんやな。

吉本  すごい心配してた思い出がある。


〜『プレゼントタイムハローグッバイ』の話〜

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杉原  えっと…その7カ月後、年末に、『プレゼントタイムハローグッバイ』。クリスマスやったんよね、これね。

石畑  そう、これ三重で泊まり込みで2週間泊まって…

吉本  滞在公演。

石畑  滞在公演で製作して。

杉原  HEPホールでやりましたね。三重県と、大阪と。

福谷  うん。

松原  え、何日いたんやろ、三重に。

福谷  2週間、2週間。14日間。

松原  え、2週間なんや。すごい長く感じたよな。

吉本  2週間しかなかったんや。

松原  初めてみんなとあんなに長く一緒にいた。

一同  うん。

佐々木 男子、車で行ったんやったっけ。

石畑  あー、車で行ったね。

佐々木 石畑の車やったよな。

石畑  うん、たぶん俺運転していった。

杉原  そうやったっけ。

佐々木 そうか、その車移動がおれめっちゃ楽しかった記憶ある。

杉原  …あー。

佐々木 創作で歌うたって。

福谷  歌った(笑)

一同  (笑)

石畑  小学生みたい(笑)

佐々木 名曲しかできんくて。

石畑  3人がすごい楽しそうにしてる中、俺初めて高速乗るっていうんで、めちゃめちゃ緊張して1人だけずっとこんなんやった。(目を血走らせて)

福谷  お前あれ初めての高速やったん!?

石畑  初めてやった。よく運転した。

福谷  ふざけんなよマジで?

石畑  いやでも多分言うてたと思う。

福谷  ほんまぁ?

石畑  うん、まだ免許取って間もないし、そんな慣れてないって。

福谷  ほんま??

松原  まこちんが料理全部作ってくれてな。

東   そー!

佐々木 作ってた!

吉本  おいしかったー。

佐々木 作ってたねぇ。

東   なんか晩御飯食べ終わってからみんなで近くのコンビニ、スーパー?に「みんなでアイス買いに行こー。」って行ったりとかしてて…

松原  そうそうそう!

佐々木 で、テレビとかなんもなかったやん。娯楽がなくて、夜中に杉原と二人で、スリッパで卓球してた。ずっと。

杉原  やった。

東   あ、やってたなぁ!

松原  小学生やん(笑)

杉原  めっちゃ楽しかった。

佐々木 めっちゃ楽しかった。

北村  滞在はそれが、最後ですか?

佐々木 滞在製作は、

福谷  …はそれが最初で最後ですね。

松原  だからいろんな形になる美術やったけど、それを1から考えながら製作してた。

福谷  2週間舞台美術と遊べるからってことで、組み立てができるっていう美術を、っていうのを柴田さんに頼んだんや。

松原  普段やったらそんな練習できる場所ないもんね。これはすごい、三重県文化会館のありがたかったところ。

東   転換がだから結構ちゃんと、映えるというか。

佐々木 そうかぁ…めっちゃ大変やった記憶あるわ転換。

松原  そうそう、転換大変やった。

東   でもあのね、音合わせのやつ楽しかったね石畑。

石畑  楽しかったですね。

佐々木 今でもできるもんな。

吉本  覚えてます?音ハメの転換のあとに、ダッダッダって階段になった椅子を降りるときに、ダッダッバキッっていって、めっちゃこけて、東さんが。転げ落ちて。

東   そう、朝の返し稽古の時やね。

松原  椅子突き破ってたもんな。

東   うん、びっくりしたあれ。

吉本  けがは大丈夫だったんですか?

東   なんか背中を擦りむいたくらい。

松原  すごい「東大丈夫―!?」って言ってたら、後々まこちんが「俺めっちゃケガしてる…」って。

佐々木 そう。折れた木片が飛んできてて、俺の足が見たことないくらい腫れてた。

松原  全然まこちんの方がケガしてる(笑)

東   こけかたが派手やったからみんな心配してたけど。

松原  まこちん言い出せなくて普通の顔しててんな。

杉原  この公演で初めてパンフレット作ったんでしたっけ。

東   そう!

松原  あ、ほんとだ。

東   すごい、て、手作りの。

福谷  あの、東がめっちゃ大変やったやつな(笑)

東   自分らで、すごいあの、ホッチキスを、全部押して、

杉原  やったやった。

東   初パンフレット。印刷もなんか知り合いの人にやってもらって…

吉本  めちゃくちゃ安くで…

松原  そうそう。

北村  え、これは販売したんですか。

東   販売した!

北村  この時は、一冊1000円?

東   いやいやいや、500円とかちゃう。

佐々木 うん、そんなもんやと思う。

東   全然、普通のパンフレット。今みたいな雑誌じゃなくて。

佐々木 すごい、今ぱっと思い出したんやけど。ポリアモリーの公演に関係ないけど、さっき高速初めてって言ったやん。帰り道杉原と福谷は後ろの席でもう静かに寝てる、みたいな。で俺は運転できるから、地図見ながら一緒に乗ってて。

 劇場出るときに高速夜やから「眠るのが怖い」ってまず言ってて。コーヒーをもう結構、飲みながら運転してたんよ。だからサービスエリアらへんで「トイレ、ちょっと行きたいな」って言いだして。 「寄ったらええやん」って言ったんやけど、「ちょっと我慢してるくらいが起きてられるから、大丈夫」みたいな感じやって。また運転止まらず行ったんやけど、もう、行けども行けども、サービスエリアがないのよもう。で、途中から、もう我慢できひんから、ちょっと立ってるのよ(笑)

一同  (笑)

佐々木 ジョッキーみたいで、俺も横で「ちょ、大丈夫か!」みたいな

石畑  あー、思い出した、俺それ三重出る前から確か、おしっこ我慢しとって、この状況で行った方が眠たくならへんからって。

吉本  追い詰められてるやん。

佐々木 もう限界の時、ほんまにちょっと浮いてたもん、ケツ。

石畑  それで帰ってきて完全に膀胱炎になって。

一同  えぇ!?

石畑  そんなんやったそんなんやった。

杉原  まぁこれが2015年の12月で、3カ月後にフラッシュフィクションのVol.2 『OPEX』。これを、Vol.1と同じ劇場、can tutkuでやりました。


〜フラッシュフィクション公演『OPEX』の話〜


佐々木 やったね。

福谷  演劇EXPOの企画の一環やねんな。

杉原  これね、DVDになってないから、めっちゃ観たいんですよね。記録映像しか残ってない。

松原  そうか、撮ってないんや。

杉原  だからあんまり覚えてない。

佐々木 全然覚えてないわ。

東   確かに。ゆっこは、あんまり出てない。

松原  そう、えっとMONOの稽古期間とかぶってて、確かすごい少ない数しか出てない。

東   打ち上げ中にセリフ覚えてたもんな。

松原  そうそう、切羽詰まって(笑)

福谷  へえー。

東   で、これはあこちゃんが、出てないんやんね?

吉本  出てない。東京にいたから…。

杉原  この作品は「〜編」って分けて無かった?

福谷  どっちやったっけ?2個くらいに分けてたっけ?

東   いや、1個、1個。

福谷  1個か!

東   うん。何についてやっけ?

佐々木 お金、お金。

東   お金か!

杉原  Vol.1はちなみに『演劇編』…

松原  『バイト編』、

東   『恋愛編』。

杉原  って分けてたけどOPEXは、『お金編』。

吉本  その『jerk!!』でやった作品を『OPEX』に持ってきたりってのはあったんですか?

福谷  あったと思う。どうやった?

東   あった、あった。

福谷  あ、だから、1個ずっと使ってるやつあるもん。

杉原  あれや! 『サンダル』!

吉本  え、『サンダル』は『OPEX』にないと思う。たぶんあれ『恋愛編』…。

東   サンダルじゃなかった。

石畑  あれは?あのアテレコするやつ。

福谷  あー、使ってんのかな。覚えてないなー。

松原  『愛の酷白』は? 『OPEX』から?

福谷  OPE…

東   『OPEX』から。

福谷  『OPEX』から、なんや。

東   うん。

福谷  あー。え。え、じゃあない?

松原  『理想と現実』も?

東   そうそう、『理想と現実』も『OPEX』から。

松原  ふぇー。ん、あ、じゃあ…ない?

佐々木 『愛の酷白』は『jerk!!』じゃね!?

石畑  うんー、『jerk!!』あったと思う。

東   いやいやいや。

福谷  『恋愛編』で流石にやってそうやけどな。

東   いや、ここで(東と杉原を指し)やってんねん。似たような、告白するやつを。

福谷  それは明確に覚えてんねん。それは違うやつや。

東   違うやつやろ?だから『愛の酷白』は『jerk!!』でやってない。

杉原  へー。

杉原  で、『OPEX』やって、7ヶ月後に『戸惑えよ』。


〜『戸惑えよ』の話〜

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一同  …ああ〜。

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片山北村 (笑)

杉原  大阪、東京、仙台公演。

片山  みなさんきれいに「ああ〜。」って(笑)

杉原  これは樋口ミユさんのPlant.Mと共同で回ったんですよね。

佐々木 そそそそ。

杉原  これは…。

佐々木 初東京?

東   初東京。初ツアー。

佐々木 初仙台か。あれ『戸惑えよ』や。本番の1週間前に福谷が急に「配役間違えた。」って。

松原  え!

東   そうそうそうそう。

福谷  (佐々木と杉原)変えた変えた。

松原  そうやっけ!?

佐々木 そうそう。で杉原は「僕台詞ほとんどないんで大丈夫ですよ。」って。

松原  うん。

佐々木 死ぬほどあってん。

一同  (笑)

佐々木 ふざっけんなよ! って。

松原  まこちんと杉原が変わってたんか。

北村  ちょうどその時くらいに稽古場の見学に行かしてもらって。なんか大変なことになってるなって思いながら見てました。

松原  へー。

杉原  この時、竹内(匿名劇壇制作スタッフ 竹内桃子)は入ってたんでしたっけ?まだか。

東   たしかOPEXで入ってん。『OPEX』の時にニシノが「竹内どう?」って。制作さんそろそろ欲しくない? ってゆう会話になって。それまでもずっと手伝ってくれてたけど、(ニシノが)正式にプッシュしてくれて、竹内がいいなら入ってくれませんか? って話になった。それで入ってくれた。

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石畑  ほー。

松原  それまではニッシーが凄いいろんなスタッフ兼ねて1人でやってくれてたもんね。

石畑  うん。うん。

佐々木 そうゆうことやね。

東   『戸惑えよ』は、

佐々木 あの、全員泣かなあかんやつ。

東   そう。

佐々木 ラストシーンで。

福谷  ああ。そやったな。

佐々木 泣けんかったって言ってる人おらんかったっけ? 俺その記憶凄いあんねんけど。

福谷  杉原、杉原。

佐々木 杉原か!

杉原  俺か。

佐々木 俺が百発百中やってんな。

杉原  泣いてた。

佐々木 (杉原)「泣けんかった」って言ってたよな?

杉原  言ってたかな? 俺、一番後ろの立ち位置やったからどうせ涙見えへんやろ。

福谷  それ言ってた。

一同  (笑)

吉本  私、『戸惑えよ』の話の設定は1、2争うぐらい好きでした。

福谷  あ、そうなん!?

松原  ど、んな話やったっけ…?

東   なんでやねん。(笑)

吉本  なんか宇宙人に拐われて、で、返して欲しかったら指定された人間が泣かないといけない。けど指定された人間はなぜか分からないけど感情を失ってしまっている。で、指定された人間は別に親しい人間とかじゃないから、凄い親しい人間から責められる。でも、泣けない。

杉原  うんうんうん。

吉本  てゆうのが、凄いなーって。

佐々木 杉原キレてたもんな。俺に。「なんで泣けないんですか?」って。芝居で。

石畑  あーそうそう、2人のシーン。

杉原  あー、ほんでなんか「ゴーフルです。」っとかって。

福谷  (笑)

佐々木 あ、そうそう!(笑)(感情なくした)俺がゴーフル持って謝罪行くねんな。

杉原  何がゴーフルやねん! って思って。(笑)

一同  (笑)

杉原  ふざけんなって。

東   バシーンってな。ゴーフル叩き返して。

佐々木 やってたわー。

吉本  そう、なんかちょっとSFチックな感じがして。

福谷  うん。

佐々木 そうやね。

吉本  うん。好きでした。

佐々木 なんか舞台上にずっと福谷おった気すんねんけど。

松原  宇宙人役じゃなかったっけ。ピロピロつけて。

福谷  あー、おったな。

東   頭にビヨンビヨンのやつ。

佐々木 俺、大阪公演で今日も泣いたったわって思って、ツイッター見たらプロトテアトルのペレイラが感想で「誠さんの汗が凄かった」って書いてて。

東   へー。

松原  汗に見えたんや。

佐々木 ほんまこいつ…って。

吉本  (笑)

杉原  で、6ヶ月後の2017年には『レモンキャンディー』を上演してます。


〜『レモンキャンディ』の話〜


石畑  えー!

松原  急に最近な気がするね。

杉原  大阪では應典院、で、東京にも行きまして。花まる学習会王子小劇場。

東   単体で初めて東京行った公演やんな。後、初めてちゃんとしたパンフレットを作った。

吉本  かっこいいやつ。

杉原  この公演は凄い斜め舞台で、立ってるだけでも大変やった。

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佐々木 あれは凄い八百屋舞台やったよな。

東   物が倒れたり、転がって消えたりしてたもんな。

杉原  食事するシーンのテーブルが傾いてるから、水とかがね。怖かった。

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石畑  あれ、なんか、客席に落ちていったとか1回ありませんでした?

杉原  ケータイ落ちていってん。

東   ケータイ?

杉原  芝原さんの使ってるケータイを模した木の板がコロンって落ちていって。

福谷  あー。

杉原  その後のシーンでケータイ使うから。俺芝居しながら辻褄合わせをギュンッ! って考えて。セリフ喋りながら。そしたらイケる! と思って。

佐々木 うんうんうん。

杉原  でも、もう拾えへんし。無理や!と思って、

福谷  (笑)

杉原  そのままハケていって、ニシノさんに「ケータイ落ちた! ケータイ落ちた!」って言ったら「ある!」ってニシノさん予備のケータイ出してくれて。ありがとう! 助かったああ!って。

一同  (笑)

松原  あぶなー!

佐々木 俺、記憶にあるのが、舞台上で実際の食べ物食べてたやんか。あれになんか人気の食材あったやんな?

松原  もやしやろ?

佐々木 もやし! もやし!

一同  (笑)

石畑  そうや、全員がもやし狙ってた!(笑)

佐々木 焼き飯と唐揚げともやし炒めがあって。俺頑張って唐揚げ食べてんのに誰も食わへんし。口がモサモサするから。もやしの売り切れ具合が凄かった。

松原  もやしは水分量が適度でいいねんな。

吉本  だから竹内から「みなさん、もやしだけじゃなくて他のも食べてください。」ってお叱りがあった。

一同  (笑)

石畑  たしか出ハケ口が布みたいな。

佐々木 そうスリット入ってるみたいな。

松原  ちょっと出にくい感じやったよね。で、八百屋にもなってるから、一回東がそこに足引っ掛けてさ。

佐々木 そうそうそう。上手のところに足引っ掛けて。俺、同じ所でハケなあかんくて。俺の前が東やってんやん。東が舞台上に足だけ残って消えて、で、ハケ口の先すぐ階段やから。でも俺もハケなあかんやん?で行かなあかん! と思ってハケたら丸まった東が階段の下に、ドコドコドコって落ちていってる瞬間で。

一同  (笑)

佐々木 それでも奥に行かなあかんから東をジャンプで飛び越えて。で、裏動線走ってニシノに「東が落ちた!」って。「東がこけてる。ぜったい怪我してる。」って言って。で、ニシノに「まこちん次出なあかんから戻り。」って言われて戻っていったら、脚を引きずった東が裏を歩いて来て。大事件やん! って(笑)

一同  (笑)

松原  その時私と芝原は、東とすれ違って舞台上に出なあかんくて。東がハケてくるの待ってたら、東は八百屋舞台の高い方から下ってくるところで倒れてきたからもう、ロケットみたいに横になって飛んできたように見えた。

吉本  しかも開演してすぐでしたよね?

東   そうそう。1幕が終わって、食器を持ってハケる時。だから手で幕を開けられなくて。足で踏み込んで入らなあかんかったやけど。後ろ足が幕の切れ目に引っかかって、そのままドン! っていって。でもまあ、凄い場転の音楽が大きかったからたぶん客席にはバレてないから大丈夫と思って。でもその、ご飯とか唐揚げが裏に散らばっちゃって。

一同  (笑)

東   ひゃー! これをどうしようって。

佐々木 拾ってたわ〜。焼き飯。

東   とりあえずもう、松原と芝原がそこから出るから、とりあえず階段をよけて。衣装が真っ白やったから血が出てたらやばいと思って膝までまくって「西野ごめん、あの、血が出たかもしれん…あと唐揚げがごめんやねんけど、すごい散らばっってんねん…」って言ったら「そんなんいいから早く消毒して!」って言われて…すごい消毒した。

一同  (笑)

佐々木 覚えてんねん、映像として。転がる東、すごい真剣な顔で出て行く芝原と松原。

松原  そう、あの時芝原と一回チラッと目合って。これは東を助けてられない!ってなって、見捨てて出た。

福谷  (笑)

佐々木 俺とすれ違いで出て行くねん。俺がジャンプした後を。もうアルマゲドンみたいに。行くぞって(笑)

松原  (笑)

東   なんか石畑の最初の登場シーン、すごいトレーニングして帰ってくるって設定で。裏でビシャビシャに霧吹きで濡らして出てきてた。そのシーン終わったらはけて、ドライヤーで乾かして、次のシーンは普通に出てくるねんな。皆は、冒頭のシーンそんなにビシャビシャにして嘘やと思われへんかなって言ってたけど。でも全体通すと後半はほんまに同じぐらい汗でビシャビシャになってるから、全然問題なかった。

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石畑  そうそう。ビシャビシャで出て、帰ってきて、乾かして、またビシャビシャになってる。

東   そう、すごい説得力あるねって言ってて。

佐々木 ゲネで初めて霧吹きビシャビシャ試してん。

石畑  そうそう。

佐々木 おもろすぎて! 台詞が全然言われへんねん、笑っちゃって。

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松原  思ってた倍ビシャビシャやってんな(笑)

佐々木 いやそのままシャワー浴びてきたん!? みたいな濡れ方で出て来て、おもろすぎて。

松原  そうそう。

佐々木 で笑っちゃうから、ゲネ終わりに「ごめん、慣れるため にビシャビシャなお前を見せといてくれ、頼むから。」って言ってん。なんか(石畑)ちょっと怒ってんねん!(笑)「なんで今濡れなダメなんすか。僕は真剣にやってるんやから」みたいな(笑)

石畑  関係ないところで濡れんのは嫌や(笑)

一同  (笑)

東   あのー、飴が、最後のレモンキャンディが缶から出なくて、すごい工夫した思い出が。粉まぶしたりとか。隠し持っとく人がいたりとか。

佐々木 あった。

松原  舞台上の熱でくっつくねんな。

吉本  最後はもう誠さんの力技で。

佐々木 力技。

吉本  いってましたもんね。

佐々木 撒き散らさなあかんかったやん。やのに、もう缶持った時に飴ちゃんの音すら鳴らんねん。カシャカシャって音すら! 塊を振ってるだけやから、手のひらにその飴ちゃんの缶をバァン!! バァン!! ってぶつけて。手のひら真っ赤になるぐらい。

吉本  そう。

佐々木 で、「キエエエエエエエ!!」って振りまいて。

一同  (笑)

吉本  叫びながら。

松原  役としてじゃなくて役者として叫んでたな。

東   どういう心理状況…?(笑)

佐々木 めっちゃ綺麗やったやろでも。そん時の、あの上からレモンキャンディーが散らばる感じ。

吉本  そうそう。

松原  そう。ライトに照らされて綺麗やねんなあれ。ピロピロピロって。

佐々木 覚えてるわ。粉塗ったらひっつかへんって言われて、粉塗ったらポケットに入れてるから熱でいつもよりギチギチになってて。 前半で俺が飴を1個転がして石畑が拾って「なに?」って言うシーン。 転がらんねん! 固まりすぎて。やのに石畑、転がったであろう飴ちゃんのとこ見て、俺に「なに?」って言ってきて(笑)

石畑  あーーーそんなんやったなぁ。

松原  1個も出てないもんな。

佐々木 「お前…!」って思って。

東   焦るな、それ。どうしようってなるな。

松原  うん。

佐々木 ほんまに。

松原  八百屋やから、転がってく飴ちゃんを絶対に取らないといけないっていう緊張感もあったって言ってたよね?

東   そう絶対取らないと!

吉本  しかもその転がったやつを食べてましたもんね。

杉原東 食べてた。

松原  あたしはまこちんから手渡しでもらってたけど。

吉本  あたしも(笑)

石畑  あれネチャネチャやった。(笑)

松原  ほんまに斜めやったなぁ。

東   うん、すごい。斜め斜めとは聞いてたけどここまでか! っていうくらいすごかった。

松原  確かに。

片山  この時初めて匿名さんのお手伝いに行きました。

一同  おお〜!!

吉本  そうかぁ。

片山  当日のお手伝いで、たしか全日程ついてると思います。

一同  おおお。


〜OMS戯曲賞の話〜


杉原  で、5ヶ月後には『悪い癖』の再演ですね。

松原  あ、もう?

佐々木 もう再演?

杉原  うん。

松原  これは『悪い癖』がOMS戯曲賞の大賞をとったから、 再演できた。

佐々木 ああ。

福谷  OMSとって最初の公演って『レモンキャンディ』ってこと?

北村  確かそうです。

杉原  OMSとった瞬間って覚えてます?

福谷  覚えてる。

杉原  どんな気持ちでした?

福谷  嬉しかった。

東片山 (笑)

松原  授賞式に劇団員が誰も行ってなかった。(笑)

杉原  あれって授賞式でみんな集まって大賞は発表される感じでした?

福谷  そう、選評会っていうのが行われるから、取ってようが取ってまいが行くのよ現場に。 向かってる最中やったかに電話がきて「大賞です。」みたいな。 ほんまか、って思って行って。でも他のみんなは聞かされてないねん。その結果は。他の人達には。

東       あ、先に受賞者だけ知らされる…。

福谷  そうそう、知らんねん。「おはようございます」とか言って。
俺大賞って言った方がいいかな? とか変な葛藤ありながら黙ってた。んで、大賞発表されました、賞状もらいました、んで飲み会終わりましたみたいなくだりのときに、劇団員誰も来てないことをすげー言われた。「普通くるんじゃないの?」って。そうなん!?って思って。

松原  すごい愛されてない代表みたいに…(笑)

一同  (笑)

福谷  とるかどうか知らんからなぁ。

松原  なぜか、なんにも知らなかった。

東   ニシノと竹内が…

福谷  駆けつけた。

東   駆けつけてくれて。でもそう、知らん…。

佐々木 そう俺知らんかってんなぁ。

東   その日にあるなんて。

松原  そう、そういうことになってるとは。(笑)

北村  新聞とかに出てたじゃないですか、あの最終選考って。

福谷松原 あぁ。

松原  でもよくわかってなかったんだよなぁ。

東   行っていいかもわからんかったしな。

松原  そうそう。

東   本人だけが行くんかと。

北村  僕ピッコロ劇団の事務所に当時いて、ちょうどオフシアターっていう自主企画を福谷さんで企画案出したのにコンペで負けた時で。 負けた後すぐの時期にOMS受賞されて。それ聞いて「ほら見たことかぁ!!」って制作部のところに行って、制作の一番偉い人に「取りましたよ、取りましたよ!」って。(笑)

一同  (笑)

北村  「いやこれとっといた方が良かったなぁ。」って言われたんです。

東・松原 へぇー。

杉原  OMSとってから、次の作品書くってなった時、なんか周りからのプレッシャーみたいなのって感じました?面白いの作らなあかんって。

福谷  それはなかってんけど、OMSとったときに作ってた『戸惑えよ』『レモンキャンディ』が俺の中であれやから…。

一同  (笑)

福谷  『プレゼントタイムハローグッバイ』『OPEX』『戸惑えよ』『レモンキャンディ』この辺全部きついから。ほんましんどかったよね。(笑)

松原  確かになんかしんどくなってたなぁ。しんどくなってる中でOMSとって、別に上がりはしなかったんや?

福谷  いや嬉しかったけど、上がりはせんかったな。なんかその、特に心の摩耗をケアするものではなかった。

松原  やっととれた!って感じでもなく?

福谷  ないない。てかむしろ、「うわ、とれてもーた」の方が感情でかかった。それは当日のスピーチでも言ったけど、早いやろって。

松原  この今の自分のレベルじゃ?

福谷  そうそう。最終選考残って、それでもとれなくてみたいなんを何度もみんな繰り返してるわけやん。それで実力磨いてってんのに、そのルートに乗れなかったってことの方がなんか思いとしてはでかかったな。俺その後、今回もOMS出したけど、やっぱ残ってないし。

佐々木 『大暴力』?

福谷  『大暴力』。

北村  この時初めてちゃんと座組みに舞台監督助手として入りました。

佐々木 あーそっか!

松原  え、この時まだ入ってはないん?劇団に。

北村  全然入ってない。

佐々木 入る前やね。

北村  ピッコロ劇団にまだ所属してるときやから。

松原  そっか。

北村  外注として参加させてもらった。


〜『悪い癖』再演の話〜


石畑  『悪い癖』の再演も楽しかったですね。

松原  なんか再演しがいのある作品ではあったねぇ。

東   石畑は結構変わった?キャラ的に。

福谷  しゃくれた(笑)

松原  ほんとだー!(笑)

東   なんか新しいの入れよーみたいな感じで。

石畑  あれはすっごい楽しかったですね。

佐々木 しゃくれ見つけるまでめっちゃ長かったよな。

石畑  そうですね。

福谷  あれでも、今正直考えると、しゃくれんでええと思う(笑)

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一同  (笑)

佐々木 ストレートにやりゃいいのに(笑)

福谷  うん。

石畑  いや、でも、しゃくれなければ、なんかこう上手いことできなかった、 みたいな。

福谷  何かあったんや。

石畑  あったと思います。

佐々木 全然稽古させてもらえへんかったもんな。

東   させてもらえんかった! そう、やりたいのに今日も石畑の稽古からかぁ〜っ。

石畑  申し訳ないです。

松原  謎になんか、杉原佐々木石畑の「♪宇宙、宇宙」のところばっかり稽古してたよな。

東   そうや!

佐々木 やったー!

松原  全然芝居じゃないところの稽古をずっと。ここで表現する進化の過程の形はこうで…とか。この時間いらん! って思ってた。

一同  (笑)

佐々木 やってたな。人間の進化やってたな!

松原  やたらディテールにこだわってて。

杉原  こないだDVD見返したけど、そこ絶対わからん。何してるか。(笑)

松原  やろ⁉︎「ここで初めて人は物を投げることに目覚めるねん」とかさ。


佐々木 やってた! 俺は弓を使ってた!

杉原  俺は石を拾って投げるねん。

佐々木 やってたわ〜。

松原  劇中の劇団の芝居をずっと作ってたね。

佐々木 そうね、ハモリにめっちゃ命かけてた。

東   あこちゃんが指導とかしてたやんな。

松原  石畑の声が細い! とか言われて(笑)

佐々木 石畑ちょっとおかしなったもんな稽古場で。ハモれへんくなって、自分のこと叩き出して(笑)

一同  (笑)

松原  演技の稽古しろよ(笑)

佐々木 懐かしいわ〜。

杉原  意外と松原さんがね、主役なんですけど出番が少なくて、セリフも少ないのに強烈な印象があった。見終わった後。

吉本  うん。

松原  あたしこの『悪い癖』で関西現代演劇俳優賞いただいたから

吉本  あ、これか!


松原  そう。

佐々木 あぁ、そっか!

松原  あたしがボーっとしてる間にみんなが芝居するっていう作品やったけど(笑)

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福谷  (笑)

石畑  なんか眠なるって言ってましたもんね。

松原  そうそう。脳を空っぽにした状態をずっとやってたら、ほんとうに瞑想状態になっていって。本番中に寝れると思ったくらい。

佐々木 再演と初演やったら福谷が別人やから。

福谷  そうやな。

佐々木 初演ガリッガリやから。

松原  ふくちゃん、服装もだいぶ変わったからなぁ。

福谷  どんなんやっけ?

松原  なんかチンピラみたいな、ヤンキーみたいな。

福谷  それ初演ちゃうかった?

松原  初演はただの白Tになんか。

東   書いてた。

福谷  あー。

東   「なんとか男」みたいな。

福谷  消したやつや設定を再演で。

杉原  「万事妄想男」みたいな。

松原  そうそう!

佐々木 福谷の髪の毛坊主にしたん俺やからな初演のとき。河川敷みたいな所で。

福谷  ABC中之島春の文化祭の時。

東   あっやってた。

松原  その写真残ってるわ。坊主にしてるところ。どこで坊主にしてんの。川のほとりで…。

東   初めて再演したのがこれやってんな?

佐々木 そう。

東   1回やってるから、本がもうあって流れが分かった上でもう1回するから、なんか1人1人役が深まってるというか膨らみみたいなんが初演よりやっぱあった。膨らませていくんが楽しかったなぁ。

松原  確かに。「台本をしっかり考えてみよう」みたいな会やったもんな。

東   それ初演初演。

松原  ううん、再演もやった。

東   両方やってるんか。

杉原  意外とセリフ入るのが早くて稽古が順調やった気がする。

松原  あー私は意外と忘れてたな台詞。


〜『笑う茶化師と事情女子』の話〜

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杉原  で10ヶ月後には、2018年8月、『笑う茶化師と事情女子』。これin→dependent theatre 1stでやりましたね。東京はこまばアゴラ劇場。

東   初めてのアゴラか、楽しかったアゴラ。

松原  そう宿泊楽しかったよな。

東   楽しかったなぁ毎晩。

吉本  修学旅行の夜やった。

杉原  茶化師どんなんやったっけ。

東   なんか転換をみんなで毎回毎回出て、

一同  あー。

杉原  リズムに合わせて止まって歩いてとか。

北村  めっちゃ練習しましたね。

吉本  凍ったペットボトルで誠さんに殴りかかるっていうシーンがあって、なんかの時1回本当に殴っちゃって。

佐々木 当たったね。

吉本  そう当たって、もうあんな思いは一生したくない。

松原  まこちん舞台上の災難多いな。

一同  (笑)

東   この時初めて雑誌風のパンフ作った。

福谷  あーTAB1号か。

吉本  クオリティ高い。

佐々木 黒胡麻卵黄。

東   歌ってたな黒胡麻卵黄。

佐々木 (歌い始める)黒胡麻黒胡麻黒胡麻黒胡麻♪

杉原石畑(ハモリ始める)卵黄〜卵黄〜♪

佐々木 10種の有効成分配合! 昨日の疲れを明日に残すな! ケイワ食品です!

一同  (笑)

松原  それを収録するっていう。

北村  なんか女性陣もやってましたよね、「社会問題」(劇中のアイドルグループ)?

東   それはレモンキャンディ。ここでも使おうって言ってたけど使ってない?

松原  バックでちょっとだけ流れてるかも。


〜『大暴力』の話〜

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杉原  次は2019年6月『大暴力』。これは神戸アートビレッジセンターでやりました。

松原  久しぶりのフラッシュフィクションやね。

東   初めて両面舞台。

福谷  両面初めて?

東   初めて。

福谷  あそっか。

東   で、スクリーンで着替えを見せるのも初めて。

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松原  フラッシュフィクションが、なんか、なんて言うの…

東   進化した。

福谷  カフェでやってた小さな公演を大きな劇場様に作り替えたね。

松原  そうそう。

片山  この時に初めて座組みの中に入りました。制作協力で。

佐々木 うんうん。

松原  北村はいつ入団したのかもうわからんけど。

北村  『茶化師』終わりでちょうどピッコロ辞めて一年位になるので、そろそろどうや?みたいな話になって、『大暴力』の稽古中に入団しますってなりました。

松原  あーじゃあ入団して初めての公演が大暴力。

佐々木 あれ、初めて『singing in the rain』の稽古したとき覚えてる?

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佐々木  LEGOを一番最初に落とした時のあの弾け具合。

松原  あー。

福谷  衝撃な。

佐々木 あの衝撃が今でも忘れられへん。

松原  パーン!

佐々木 めっちゃ面白かったもん。

福谷  水みたいになった。

佐々木 そう、LEGOが。

福谷  『大暴力』くらいになるともうカフェで積み重ねて来た経験があるから衣装のトチリとかは無かってんな。

杉原  確かに無いですね。

松原  私がゲネプロで、杉原に告白されるシーンに体操服で行った。

一同  (笑)

佐々木 えらい事になってるやん。

松原  青い体操服のジャージで告白を聞くっていう。

松原  杉原に絶対本番やめてくださいねって念押された。

東   私、『理想と現実と現実』でローファーを別の作品でも使うから上手に置いとかなあかんのに下手のスクリーンの中に置きっぱで。無い! ってなって靴下でやった。

松原  へー。

東   でもまぁ紺やしバレてへんやろ。

福谷  (笑)

松原  『大暴力』からは劇団に舞台監督が2人ってだいぶ、

佐々木 豊かになった。

松原  豪華な劇団になった、そんな所ってあんまり無いよね。

佐々木 『大暴力』のDVD見て改めて思ったけど。うちって、「それでは只今より開演です最後までごゆっくりお楽しみください。」って言った途端に始まるやん。

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福谷  うん。

佐々木 あれが俺好きやなって思った。あんまり今まで意識してなかったけど。

福谷  意識してないんや。俺はあれがいいからずっとあれで作ってるで。

佐々木 そう、だからそれを全然意識してなかったんよ。

福谷  (笑)

片山  あれ毎回竹内さんが「前説やらないといけないから」ってずっと緊張してはって。

一同  (笑)

松原  前説にダメ出しするもんな。

福谷  する。(笑)

松原  ゲネプロの段階から。

福谷  気持ちがこもってへんから。

一同  (笑)

福谷  「携帯を切って欲しい」という思いを客に伝えるんや。

松原  それを竹桃にめっちゃ言う「もっと心から携帯を切って欲しいという思いをー」って。(笑)

東   これで初めて衣装をお願いしたんやっけ?

福谷  いや『笑う茶化師と事情女子』で

佐々木 壱劇屋の安達さん

杉原  『レモンキャンディ』で植田さん

福谷  あっほんまやほんまや植田さんやわ

東   『大暴力』は山口さんか


〜『ときめく医学と運命的なアイデア』の話〜

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杉原  2020年は『ときめく医学と運命的なアイデア』

福谷  初めてのオーディション。

佐々木 何人応募あったっけ。

北村  127。

佐々木 ほぇー。

松原  劇団員の出演者少なかった。

東   3人しか出てないし。

片山  オーディション凄く話題になった覚えがあります。

北村  へー。

片山  匿名さんがオーディションやってる! って色んな人から言われて「凄いね!」って返しました。

一同  (笑)

片山  よく手伝ってるっていう印象があるからみんなから聞かれるけど、私はその時劇団員では無いので。

東   思ったより応募してくれたというか、最初50人くらい来たらいいねーってオーディション会場を押さえてたら倍以上の応募があったからビックリみたいな。

杉原  そこから12人の客演さんを迎えて14日間20ステージやりました。

福谷  基本、だからオーディションとかじゃなくてこっちからオファーかけて然るべきような人達もオーディション受けに来てくれたから。やっぱそこが実力的にも目立つし取っていったな優先的に。

佐々木 20ステージもやったんやな。

東   初めてのロングラン。

杉原  で劇団の最高動員を更新しました。1260名来ていただきました。

一同  おー。

片山  ちょうどコロナウイルスが出始めて最後までやるか否か悩んではった覚えがあります。

福谷  やるか否かまではいってないよ。もうやるしか無いっしょって時期ではあったから駆け込みセーフ。

北村  最後の方、2月の後半くらいはお客さんちょっと減ったんですよね。

片山  キャンセルが少し増えました。

東   客席もどんどんマスクが増えていった。そら増えるわなーと思って。

北村  滑り込みでやりましたね。3月からはもう無理だった。

福谷  なんかこの座談会、最後の方トーク内容薄いな。

松原  もうちょっと踏み込もう。

東   初めて客演を呼んだけど演出的にどうやったんですか?

福谷  いやー難しいところもあるし。 でもなんやろなこの作品オンリーで考えるんじゃなくて、その後のってことで考えるとやっぱ意味ある事やなと思った。今もう1回やりたい人おるし、なんか別のところでお芝居作る時も、あっそういえばあんな役者いたなって思い出せるし、みたいな。その幅がすごい広がったな。 でも匿名劇壇の作品を作るってことに関していえば、んー、これを継続的にやっていこうとはやっぱ思わなかった。特別な何かだなと思った。

松原  稽古場の雰囲気もやっぱり、今までずっと劇団員だけやったからなんか違った。いつもとは違う空間。

佐々木 フルで出てんの俺と東と杉原か。

東   あとはみんな日替わり出演。日替わりはどんな感じやったん?

石畑  日替わりはー、稽古場行った時にいつもの稽古場の雰囲気と全然違う。なんかホームだなって感じが全然しなかった。

佐々木 ふーん。

石畑  だからなんか作品作りの雰囲気も全然ちがうんやろなって。

北村  稽古場にお客さん入れながらやってる感じがあった。

松原  そうねいつもより緊張してやる感じ。

東   客演先に匿名劇壇の人と出てる感じ。

松原  どれだけ友達同士で始めた劇団かってのがよくわかるね。やっぱ大学の同級生達と始めた劇団なんやなって感じの。

杉原  演出も気を使いました?普段僕らに言う感じとは違ってくるし。

福谷  なんか、オーディションでしか基本知らんのよ。で、その人の出てる作品とかも知ってたりしたけど、でもなんやろ、お互いにどこまで委ねるべきかがやっぱ計れてない状態。 やから、あとは任せて大丈夫やなって言う判断ができないし、どこまで追えばお互いの理想に辿り着けるかもわからん。 だからある程度早めに切ったりとか不必要に深追いしたりとか、無駄な時間はいっぱいあったと思う。

東   私1個覚えてんのが、劇場入りしてからも演出って変わっていくやんか。 『運命編』の方で最後何も言わずに全員が出てきて、音がなったら目線バーを取るってゆうシーンがあって。福谷が演出で「出たら野面で。」って言って。 匿名の人はあっそっかってなるけど、客演さんは「えっ野面?どう言う意味?」ってなってて。 でもふくちゃんはすぐやりますって感じやったけど、皆わかってない空気だったから私が代表して「ふくちゃんそれってこうで、こうゆうことやんな。」って聞いてん。そしたら「そう言ってるやろ!」って言われて。

一同  (笑)

福谷  嘘つくなって(笑)

東   ほんまやって!「なんでわからんねん」みたいな事言われてクッソーってなった。で裏で客演さんからどう言う事? って聞かれて。ほらやっぱりー! みたいなのはありました。みんなの前で怒られて恥ずかしかった。

福谷  冗談じゃないの?

東   冗談じゃない。

福谷  なんかピリピリしてたからな。

松原  これ劇場入ってから演出の時間が全然なかったもんね。結構急いでて。

北村  2作品あったし場当たりもシビアでしたし。

福谷  「野面」とかそりゃわからんよな。「野面」って言葉あんの?

佐々木 なんやろ俺らはなんかわかってるもんな。

松原  劇団の中でだけの言葉っていっぱいあるよな。

東   客演さんと別の現場でふくちゃんの演出受けた時の事とか喋ると「匿名語」ってあるよねって凄い言われる。あーみたいな確かに流行り言葉というかありますねって。

佐々木 造語というか、ニュアンスが多い。

東   それがやっぱ劇団員は1発で伝わるから、でも客演さんの方が多かったから1発で伝えるのは難しいのかなって。

吉本  最近私がおおって思ったのは「確変」って言葉すごい使う。

松原  どんなん?

吉本  ターニングポイントフェスの稽古の時も「ここまこちん確変入ったから…」とか。

福谷  いい芝居が出来ることを「確変」っていう。

吉本  そうそう「今からみんな確変入っていくから」みたいな。

一同  (笑)

吉本  最初なんなんやろって思ってたけどだんだんわかってきて。

佐々木 いや俺も普通に「まこちん確変入ってた?」って聞かれて「マジで入ってた」って返す。

福谷  (笑)

杉原  前スタッフさんに靴のこと「ツークー」って言ってた。

一同  (笑)

杉原  伝わるわけないやろ。

佐々木 ツークー。(笑)

松原  なんで業界用語。

佐々木 伝わるわけないやん。

杉原  そんで今に至るわけですね。

福谷  まとめにかかった。


〜制作として片山入団の話〜


杉原  片山さんが入団してくれました。

一同  宜しくお願いします(拍手)

松原  制作2人目。なんて贅沢な劇団なんだ。

東   ほんとに。ありがとうございます。

片山  お願いします。

東   初めて近大出身じゃない方?

片山  そうですね。大阪芸術大学です。

一同  えー!

福谷  あ、そうなんや!? 知らんかった!

杉原  芸大なんや!

片山   はい、実は(笑)

北村  近大やと思ってたんですか?

福谷  ううん、なんとも思ってなかった(笑)

松原  大学なんてなかった(笑)

一同  (笑)

福谷  そっか。

片山  実は大阪芸術大学で。

東   北村までは全員近畿大学の同じ学部同じ専攻の人ですけれど。

片山  大学2回の時に竹内さんと初めて知り合って、そのちょっと後ぐらいに『レモンキャンディ』にお手伝いに行かせてもらいました。で『大暴力』の時に、竹内さんが「え、入らん?」みたいな話をふんわり冗談なのか本当なのかわからない感じでしてて、私は匿名さんの作品すごく好きだったので「え、入りたいです。」っていうのをちょっとお互い探りながら。それを『大暴力』と『ときめく…』の時と毎回やってて。

松原  へー。

片山  で、「え、ほんとに 入る!?」みたいな感じになって。公演終わりに「今度会議があるから言ってみるね」みたいな感じになって「あ、じゃあ入ろう!」みたいな。だったんですけど、ちょうどその時にコロナの自粛期間があって、空白の期間が4、5ヶ月ぐらいあって。

福谷  うんうん。

片山  で、みんな「いつ来るのー?」みたいな感じに言ってるよって竹内さんに言われて。会議から徐々に参加させていただいてっていう感じでしたね。

松原  元々入りたい劇団があったから制作を始めたわけじゃなかったんだ?

片山     ではなくてですね。

松原  フリーで制作やる感じ?

片山  ずっとフリーで制作していて、基本的にずっと南河内万歳一座さんとかよくお手伝いに行っていたんです。でもなんか、所属するとしたら信頼できる先輩の元で、みたいな気持ちがあって。『大暴力』の時に竹内さんがすごく大変そうだったのもあって、支えていきたい! っていう気持ちがずっとあったので、結構ゴリゴリに押して入るみたいな感じで…(笑)

福谷  へー!

東   『大暴力』のときに、始まる前かな? KAVCのFLAG CAMPANYに参加しての作品やったから記者会見があって、たけももも来てて、私に「片山って覚えてます?」みたいな。「あ、手伝ってくれた方ですよね?」みたいな話をしてて、すごいプッシュしてくれてた! 
「めちゃくちゃ良い子で!」みたいな。

松原  へー!

東   「ものすごく良い子なんです!」って。「私の空気感も近いから、きっと匿名のみんなとも馴染むと思います!」みたいな。もう後輩ですごく推してて〜みたいな。

片山  すごい嬉しいです。

東   っていうすごい好印象から始まっています。

吉本  来てくれるお手伝いの方の中で一番最初に覚えました。

片山  わ! 嬉しい〜。

吉本  一番最初に顔と名前がちゃんとしっかりマッチした。

東   『モネちゃん』ってよく呼ぶしな、たけももが。

吉本  うんうん。

片山  別の公演に東さんとかとご一緒したときにも、「今度お手伝いさせてもらうので〜って打ち上げとかで言ってた覚えがあります。

東   うんうん。

杉原  と、いうことで、10年目も、頑張って行こー!


東松原のみ …おー!

杉原  ありがとうございました!(笑)

一同  (笑)

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終わり


舞台写真撮影 堀川高志、河西沙織